デジタル社会のグランドデザイン検討部会

「デジタル社会のグランドデザイン検討部会」報告書

  本レポートは、急速に進展するデジタル社会は従来の社会通念が通用しない全く新しい価値観が要求されるのではないかとの共通認識のもとに、産官学より13名の多彩なメンバーが集まり、過去3年間にわたって検討を行った結果を取りまとめたものです。
 今日の我が国の社会は、急激な人口減少、高齢化と労働力人口の減少、社会保障費の増大など様々な社会課題に直面しており、こうした背景のもとで来るべきデジタル社会とはどのような社会であるべきなのか、そうした社会を形成する上でいま何を考えなければならないのかについて、様々な視点から検討を行いました。
 折しも我々は、コロナ禍により従来とは異なる生活様式を体感し、そこでデジタルの恩恵について考える機会を得ました。他方、我が国ではデジタル施策が社会に浸透し利便性が享受できる社会に至ってはおりません。その背景に『ニッポン病』という阻害要因があるのではないかという仮説を設けました。
 本来は社会環境に対応して社会制度が構築され、制度を支える手段としてデジタル技術が位置付けられるべきですが、我が国のこれまでのデジタル化は、従来の社会制度上にデジタル技術を覆い被せる努力のみが続けられ、社会制度も社会環境の変化に必ずしも対応できているとは言い難いのではないでしょうか。旧来の社会制度を踏襲しつつ無理やり先端的なデジタル技術を導入しようとしても、それは借り物の技術でしかなく本来の効果など期待することはできません。
 脱コロナ後の社会に向け、様々な制度・政策を柔軟に企画・立案を可能にする将来社会のグランドデザインを真剣に模索すべき時と考え、3章からなるレポートを公開致します。

第1章は、デジタル社会のデモクラシーについて考察した。権利と義務について税・社会保障の観点から検証し、公正公平な社会を実現する上でデジタル技術をどのように活用できるかを考え、公正で透明な社会構築に向けたデジタル活用のあり方について提言します。

第2章は、長寿社会に向け、組織と人材の活用をいかに図るべきかについて考察し、生産年齢人口の減少や働き方改革など様々な社会的課題に対し、イノベーティブな社会を実現する組織や人材活用や教育のあり方について提言します。

第3章は、デジタル化がもたらす健全な資本主義社会に向け考察し、所得格差や負担と給付の適正化、マネーの可視化による我が国の資本主義の健全な成長について提言します。

 来るべきデジタル社会が、我々国民にとって安全で利便性が高く、暮らしやす い社会となることを切に願い、本レポートがそのための一助になることができれば望外の喜びです。

執筆者(50音順)
 安達 和夫  NPO法人東アジア国際ビジネス支援センター(EABuS)
 榎並 利博  NPO法人東アジア国際ビジネス支援センター(EABuS)
 仙波 大輔  NPO法人東アジア国際ビジネス支援センター(EABuS)
 中井川 禎彦 日本オラクル株式会社
 平田 祐子  中野区役所
 宮本 大輔  株式会社日立製作所
 森田  朗  津田塾大学 教授 【部会座長】

報告書全文(PDF 111ページ)

基本的考え方(動画 30分55秒)